自作イラスト・同人作品は「フォトブック」を使って簡単・手軽に作品集として印刷することができます。
このページでは、4社のフォトブック業者で同じ「イラストデータ」を実際に印刷し、仕上がりの発色・画質の違いを比較しました。
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目次
同じイラストで4社のフォトブックを作成してみました。
イラストのフォトブックを印刷した際に使用した元画像データ
今回イラストのフォトブックイメージを作成した際に使用したイラスト素材です。
グラデーションを多く使っています。
イラストのフォトブックの仕上がり
- PhotoJewel S で作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニング)
- マイブックで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニング)
- フォトレボで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニング)
- ビスタプリントで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニング)
※全て同じデータで印刷し、仕上がったフォトブックをスキャナーでスキャニングしています。
スキャニングしたデータは、4社とも色や明るさの補正等はせず、スキャニングしたままの色味で掲載しています。
- PhotoJewelSのイラストは、元画像と比較すると少し青紫が強い印象になりましたが、「グラデーションに優れた」滑らかな高画質です。網点(ドット)は見えません。→PhotoJewel S の詳しいレビュー
- マイブックのイラストは比較的青紫に寄っている印象ですが、艶消しラミネート加工がされているので、全体が「柔らかい」印象になりました。→マイブックの詳しいレビュー
- フォトレボのイラストも青みが強く、肌色は白っぽい仕上がりですが、グラデーションに優れた印刷方式なので、網点(ドット)は見えません。→フォトレボの詳しいレビュー
- ビスタプリントのイラストは、レッド系の色のシアン少なめな印象ですが、イラストの「肌の色」は、Macのウィンドウで見た元画像に一番近く再現されています。→ビスタプリントの詳しいレビュー
イラスト:PhotoJewel S の仕上がり
印刷前のイラストデータと比較
- フォトブックにした元画像のイラストデータ
- PhotoJewel S で作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニング)
元画像と比較すると少し青紫が強い印象になりました。
PhotoJewel S は用紙が4種類から選べますが、今回は「半光沢紙」で印刷しています。
なお、「光沢紙」と「半光沢紙」はほとんど色味が変わりませんでしたが、
「ファインアート紙」の場合はかなり色味が変わりますので、以下のページもご参考ください。
参考:フォトジュエルS 5種のフォトブックを同じ写真で印刷して比較!
PhotoJewel S のフォトブックは、すべて DreamLabo 5000 7色印刷 によってキヤノン純正用紙に印刷されています。
拡大しても網点(ドット)は見えず、美しいグラデーション・諧調表現力と、陰影部分まで深みのある色彩を描き出す素晴らしい印刷機です。
DreamLabo 5000 7色印刷は、銀塩プリントのように文字が滲むことなく、鮮明に描写されます。
PhotoJewel S のフォトブックは、「スタンダード(無線綴じ)」「レイフラット(合紙綴じ)」「フルフラット(中央をテープで止めたフラットな製本)」から選択できます。
今回のフォトブックは安価なスタンダード(無線綴じ)ですが、おすすめはレイフラット(合紙綴じ)です。
Canon PhotoJewelS 30ページ以上で
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有効期限:2023年2月14日
イラスト:マイブックの仕上がり

マイブックで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(仕上がったフォトブックをスキャニングした画像)
印刷前のイラストデータと比較
- フォトブックにした元画像のイラストデータ
- マイブックで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニング)
マイブックも元画像と比較すると、若干青紫が強い印象になりました。
若干「紗」のかかった「柔らかい印象」の仕上がりになっているのは、本文ページに「つや消し」のラミネート加工(マットPPの表面加工)を施しているためであり、マイブック製品ならではの特徴です。
PP加工は印刷を保護し、水濡れや摩擦に強くなりますから、印刷の耐久性の点でも優秀です。
その他にも光沢タイプ(グロスPP加工)・ニス加工タイプ・加工なしの光沢紙(FLATのみ)が選択できます。

マイブックの色味・発色
マイブックのフォトブックの印刷方式は、液体トナー4色印刷(デジタルオフセット)と、DreamLabo 5000 7色印刷の、2種類あります。
今回作成したマイブックのART-HCは液体トナー4色印刷(デジタルオフセット)のフォトブックですが、より高品質・高画質を求める場合はFLAT(DreamLabo 5000 7色印刷による合紙綴じのフォトブック)を選びましょう。

マイブックで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
マイブックの ART-HCは通常の無線綴じです。
中央(ノド)はフラットに開けませんから、イラストの重要な部分が中央にこないよう余白をあけてレイアウトしましょう。
イラスト:フォトレボの仕上がり

フォトレボで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(仕上がったフォトブックをスキャニングした画像)
- フォトブックにした元画像のイラストデータ
- フォトレボで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニング)
イラストの発色を他社と比較すると少し青みが強い印象で、白っぽく仕上がりました。(透明感がある印象)
フォトレボのハードカバーは、本文がキヤノン DreamLabo 5000 7色印刷によってキヤノン純正の半光沢紙(サテン)に印刷されています。ムラのない美しいグラデーションです。
イラスト作品のディテールまできれいに印刷してくれるDreamLabo 50007色印刷のフォトブックは、繊細なグラフィックデザインやプロの作品を表現したいフォトブックに最適です。

フォトレボで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
フォトレボのフォトブックはすべてPUR製本の無線綴じです。
通常の無線綴じよりは開きやすいですが、完全にフラットになるわけではないので、中央部に余白をもうけたレイアウトにしましょう。
イラスト:ビスタプリントの仕上がり

ビスタプリントで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(仕上がったフォトブックをスキャニングした画像)
印刷前のイラストデータと比較
- フォトブックにした元画像のイラストデータ
- ビスタプリントで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニング)
イラストの元画像(Macのウィンドウで見た画像)と比較すると、レッド系の色味はイエロー寄りの印象です。ビスタプリントは、写真印刷の場合、人物の肌が健康的に発色されましたが、
イラスト印刷の場合も「肌の色」は元画像(イラスト)に近く再現されています。

ビスタプリント 色味
ビスタプリントのフォトブックは、液体トナーの4色印刷(デジタルオフセット)です。
印刷面を拡大すると、規則正しく配列された網点が確認できます。デジタルオフセットは、コピー機などの粉体トナータイプのレーザープリンターによる印刷と比べれば、遥かに色むらが少なく発色が美しい印刷方式です。
「文字」のエッジも、シャープではっきりとした印象の仕上がりなので、文章を入れたイラスト集にもおすすめです。
文字も写真も自由にレイアウトすることができます。

ビスタプリントで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
ビスタプリントのフルフラットフォトブックは合紙綴じなので、中央部が完全にフラットになります。
無線綴じのように、中央部が見えづらくなることがありません。
手でおさえなくでも開いておくことができますから、テーブルの上で開いて作品を披露するときに最適です。
また、紙の厚さは通常の無線綴じフォトブックに比べると数倍の厚紙で丈夫なフォトブックです。
合紙綴じの中では最安値級の価格設定なので、「丈夫でしっかりしたイラスト集を安く作りたい」場合に最もおすすめです。
※ビスタプリントは2022年8月31日でサービス終了します。
\ まだ見てなかったら見てね! /
以下は、フォトブックを10年以上作り続けているフォトブックマニアが24社のフォトブックを同じ写真で制作し実際に比較した結果です【2023年最新】
参考:フォトブック24社を同じ写真で比較

イラスト作品集のためのフォトブックの選び方
イラストの描画手法の違いや作品集の使用目的によって、それに適したフォトブックのタイプが異なります。
グラデーションが美しいブラシで描いたイラストの場合
ブラシを使った美しいグラデーションや自然なシェイディング(影付け)のイラスト作品には、色の変化を滑らかに表現できる諧調性・グラデーション表現にすぐれたフォトブックが必要です。
現在フォトブックの印刷に使用されているオンデマンド印刷機の中でグラデーションを忠実に表現できる機種としては、キヤノンの7色インクジェットプリンター DreamLabo 5000 が群を抜く高性能を誇ります。
それに次ぐ高性能機が、ビスタプリントなどの液体トナータイプの印刷機(デジタルオフセット)で、DreamLabo 5000のフォトブックよりは安価なのでコストパフォーマンスが高いです。
数百円の激安価格のフォトブックは「粉体トナーの4色印刷」が多く、滑らかなグラデーション・色再現性は期待できません。
白黒マンガやベタの着色で表現したイラストの場合

漫画イラスト
経済性(安さ)重視で、あまり美しい発色やグラデーションにはこだわらないのであれば、粉体トナータイプのレーザープリンターで印刷されるフォトブックが断然安いです。しまうまプリントのライトなどが粉体トナーです。
オンデマンド印刷でもっとも普及しているのが粉体トナータイプのレーザープリンターですが、他の高価な印刷方法と比べ色むらが出やすく、ウィンドウで見た色と印刷の色が変わりやすいというデメリットもあります。
また、摩擦により印刷が禿げやすいです。(→消しゴム30回で耐久性を比較)
作品集の使用目的によるフォトブックの選び方
プロのグラフィックデザイナーのポートフォリオ・保存版作品集の場合

プロの作品を忠実に再現し、しかも印象的な鮮やかさで表現できるフォトブックが必要です。したがって、やはりあらゆる点で表現力に優れた 7色印刷DreamLabo 5000 のフォトブックがおすすめです。
安価な粉体トナータイプ(業務用レーザープリンター)の仕上がりと比較すると、DreamLabo5000 7色印刷の美しさが際立ちます。グラデーションの美しさは一目瞭然です。

装丁は作品が折れないよう、ハードカバー上製本が最適です。
イベントでの「配布用」や「同人誌」の場合
部数を多く印刷するときは、ポートフォリオほど画質にこだわる必要はないと思われますので、粉体トナーのレーザープリンターで印刷されるフォトブックが安価で経済的な妥当アイテムと思います。(→粉体トナーのレーザープリンターのフォトブック)
装丁は安価なソフトカバー並製本で問題ないでしょう。

ハードカバーとソフトカバー
イラスト作品をフォトブックで作品集にする方法
イラスト作品集のフォトブックの作り方
ただし、スキャンしたイラストの一部を切り取り、拡大してレイアウトすることもあり得るときは、その2〜3倍の解像度に設定しておくと無難です。

イラストをJPEGファイル(.jpg)としてパソコンに保存します。
作品がCGイラスト(3DCGまたはドローイング)の場合は、作品のファイル形式をフォトブックサイトが指定する形式に変換して入稿します。フォトブックサイトが対応している入稿ファイルの形式は、JPEG形式が一般的です。
手描き作品やプリントアウトして保存している作品の場合は、スキャナーでスキャンしてJPEG形式で保存してから入稿します。

フォトブックの印刷に最適な画像サイズ・解像度・画素数は?
いずれの場合も、サイトが指定する画像解像度と必要な画像サイズ(カンバスサイズ)で保存することを忘れないでください。オンデマンド印刷のデータ解像度は通常 300dpi ですが、フォトブックサイトによって異なる場合がありますので要注意です。(→フォトブックに必要な解像度は?)
画像サイズはブックサイズやレイアウトサイズによって異なりますが、解像度300dpiの場合は 1インチ(=2.54cm)当たり300ピクセルで換算して必要最小サイズを算出することができます。その際、ページ端の裁ち落とされる位置にレイアウトする画像は、裁ち落とし幅(4~5mm)を画像サイズに含めることも忘れないでください。
画像サイズは大き過ぎても印刷の仕上がりに影響しませんが、必要サイズに満たない場合は印刷画質が低下します。
イラスト作品集におすすめのフォトブックまとめ
- 高画質にこだわった最高品質の保存版イラスト作品集やポートフォリオにを作りたいときは、DreamLabo 5000 による7色印刷のフォトブックが、一番適した特性と言えます。(また、液体トナー印刷(デジタルオフセット)も、網点は見えるものの、発色にこだわったフォトブックはとても美しいです。)
- しっかりした装丁(製本)にこだわるなら、ハードカバー上製本でフラットに開ける合紙綴じのフォトブックが良いでしょう。
- 複数印刷する同人誌などコストを抑えて印刷したい方は安価な粉体トナータイプの網点印刷フォトブックが良いでしょう。
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