イラストの作品集・同人・ポートフォリオを簡単に作れるフォトブックを紹介します。
目次
イラスト作品集のイメージで3社のフォトブックを作成してみました。
イラストのフォトブックイメージを印刷した元画像

フォトブックにした元画像のイラストデータ
今回イラストのフォトブックイメージを作成した際に使用したイラストです。3社で印刷した発色・画質の違いを比較します。
イラストのフォトブックの仕上がり
- ビスタプリントで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
- マイブックで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
- フォトレボで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
ビスタプリントは赤みとコンテラストが強くはっきりした仕上がりで「元気」な印象に仕上がり、肌の色は元画像に近く再現されています。
マイブックは青紫調で全体的に「柔らかい」印象になりました。
フォトレボは青みが強く白っぽい仕上がりですが、一番「グラデーションに優れた」滑らかな高画質です。
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イラスト:ビスタプリントの仕上がり

ビスタプリントで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニングデータ)
- フォトブックにした元画像のイラストデータ
- ビスタプリントで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
イラストの元画像と比較すると、少し赤みが強い印象ですが、あまり差がありません。

ビスタプリントで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
ビスタプリントのフォトブックは、液体トナーの4色網点印刷です。印刷面を拡大すると、規則正しく配列された網点がはっきりと確認できます。しかし、コピー機と同じ粉体トナーのレーザープリンターによる印刷と比べれば、遙かに滑らかなグラデーションが表現されています。

ビスタプリント 色味
ビスタプリントの4色網点印刷は液体トナーの特性で粉体トナーよりも高画質の仕上がりです。

ビスタプリントで作成したフォトブックイメージ
ビスタプリントのフルフラットフォトブックは合紙綴じなので、手でおさえなくでも開けます。テーブルの上で開いて作品を披露するときに最適です。
イラスト:マイブックの仕上がり

マイブックで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニングデータ)
- フォトブックにした元画像のイラストデータ
- マイブックで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
元画像と比較すると少し青紫が強い印象になりました。

マイブックで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
マイブックは DreamLabo 5000 によるフルフラットタイプのフォトブックもリリースしましたが、ここで紹介している写真は従来の液体トナー4色網点印刷によるハードカバーのフォトブックです。マイブックの従来のフォトブックは、表紙だけでなく本文ページにもラミネート加工を施しているため、画質と同様に印刷の耐久性の点でも優秀です。
柔らかい印象の仕上がりになっているのは、ページにもラミネート加工(今回は「つや消し」を選択)を施しているためであり、マイブック製品ならではの特徴です。

マイブックの色味・発色
このハードカバーの上製本は、保存版の作品集に使えるハイグレードなフォトブックです。(※マイブックの最新アイテムである FLAT の本文にはキヤノン純正用紙が使用され、ラミネート加工は施されていません。)

ビスタプリントで作成したフォトブックイメージ
イラスト:フォトレボの仕上がり

フォトレボで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ(スキャニングデータ)
- フォトブックにした元画像のイラストデータ
- フォトレボで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
イラストの発色を他社と比較すると少し青みが強い印象で、白っぽく仕上がりました。

フォトレボで作成したイラスト・同人のフォトブックイメージ
フォトレボのハードカバーは、本文がキヤノン DreamLabo 5000 によって純正の半光沢紙に印刷されています。このイラストのように、拡大しても十分に美しい諧調表現力と陰影部分まで深みのある色彩を描き出す素晴らしさ、これがこの印刷機の凄いところです。
イラスト作品のディテールまできれいに印刷してくれるフォトレボのフォトブックは、保存版の作品集や作品の出来栄えを忠実に表現したいポートフォリオに最適なフォトブックです。

ビスタプリントで作成したフォトブックイメージ
イラスト作品集のためのフォトブックの選び方
イラストの描画手法の違いや作品集の使用目的によって、それに適したフォトブックのタイプが異なります。
グラデーションが美しいブラシで描いたイラストの場合
ブラシを使った美しいグラデーションや自然なシェイディング(影付け)のイラスト作品には、色の変化を滑らかに表現できる諧調性にすぐれたフォトブックが必要です。
現在フォトブックの印刷に使用されているオンデマンド印刷機の中でグラデーションを忠実に表現できる機種としては、キヤノンの7色インクジェットプリンター DreamLabo 5000 が群を抜く高性能を誇り、それに次ぐ高性能機が液体トナーの網点印刷機である HP Indigo シリーズです。
きれいなグラデーションのイラストで差を付けたいときは、このいずれかの機種で印刷されているフォトブックを選びましょう。(※液体トナーは溶剤に溶けない顔料などを混ぜたもので、合成染料を溶剤に溶かしたインクではありません。)
今回イラストのフォトブックを印刷した3社はいずれも画質の良いフォトブックです。
ベタの着色で表現したイラストやマンガの場合

漫画イラスト
ベタの色で構成されたデザイン面は、オンデマンド印刷でもっとも普及している粉体トナーのレーザープリンターでも表現できます。しまうまプリントのスタンダードなどが粉末トナーです。(→粉末トナーのレーザープリンターのフォトブック)
もちろんインクジェット7色印刷や液体トナーの網点印刷でも、より美しく表現できますが、経済性(安さ)を重視するのであれば、富士ゼロックスの Color 1000 Press のような粉体トナーのレーザープリンターで印刷されるフォトブックが断然コストパフォーマンスが高いです。ただし、用紙が白色度の高いコート紙やアート紙でなければ鮮やかな印刷は期待できませんので注意してください。
作品集の使用目的によるフォトブックの選び方

グラフィックデザイン
イラストレーターやグラフィックデザイナーのポートフォリオ・保存版作品集の場合
作品を忠実に再現し、しかも印象的な鮮やかさで表現できるフォトブックが必要です。したがって、あらゆる点で表現力に優れた 7色印刷DreamLabo 5000 のフォトブックがおすすめです。(→7色印刷DreamLabo 5000 のフォトブック比較)
装丁はハードカバーの上製本が最適です。
イベントでの配布用や同人誌の場合
部数を多く印刷するときは、ポートフォリオほど画質にこだわる必要はないと思われますので、粉体トナーのレーザープリンターで印刷されるフォトブックが安価で経済的な妥当アイテムと思われます。(→粉末トナーのレーザープリンターのフォトブック)
装丁は手に取って見やすいソフトカバーの並製本で問題ないでしょう。(→ハードカバーとソフトカバーの比較)

ハードカバーとソフトカバー
イラスト作品をフォトブックで作品集にする方法
イラスト作品集のフォトブックの作り方
- STEP.1紙に書いたイラスト原稿の場合はスキャニングするスキャニングはセブンイレブンのコピー機でも可能です。セブンイレブンのスキャン料金は1枚30円です。スキャニングの際の解像度を設定できる場合は、印刷用データにおすすめな300dpiに設定します。ただし、スキャンしたイラストの一部を切り取り、拡大して使用することもあり得るときは、その2〜3倍の解像度に設定してください。
- STEP.2JPEG形式で保存する
イラストをJPEGファイル(.jpg)としてパソコンに保存します。
- STEP.3フォトブックに配置するフォトブックサイトで、イラスト集のフォトブックを作成します。自由に編集できるタイプのフォトブックサイトがおすすめです。
作品がCGイラスト(3DCGまたはドローイング)の場合は、作品のファイル形式をフォトブックサイトが指定する形式に変換して入稿します。フォトブックサイトが対応している入稿ファイルの形式は、JPEG形式が一般的です。
手描き作品やプリントアウトして保存している作品の場合は、スキャナーでスキャンしてJPEG形式で保存してから入稿します。

フォトブックの印刷に最適な画像サイズ・解像度・画素数は?
いずれの場合も、サイトが指定する画像解像度と必要な画像サイズ(カンバスサイズ)で保存することを忘れないでください。オンデマンド印刷のデータ解像度は通常 300dpi ですが、フォトブックサイトによって異なる場合がありますので要注意です。(→フォトブックに必要な解像度は?)
画像サイズはブックサイズやレイアウトサイズによって異なりますが、解像度300dpiの場合は 1インチ(=2.54cm)当たり300ピクセルで換算して必要最小サイズを算出することができます。その際、ページ端の裁ち落とされる位置にレイアウトする画像は、裁ち落とし幅(4~5mm)を画像サイズに含めることも忘れないでください。
画像サイズは大き過ぎても印刷の仕上がりに影響しませんが、必要サイズに満たない場合は印刷画質が低下します。
イラスト作品集におすすめのフォトブックまとめ
画質にこだわった最高品質のイラスト作品集とポートフォリオを作りたいときは、DreamLabo 5000 によるフォトブックか、液体トナーのフォトブックが、鮮やかな発色で保存版イラスト作品集やポートフォリオに適した特性と言えます。
装丁(製本)にこだわるなら、フラットに開ける合紙閉じのフォトブックが良いでしょう。
複数印刷する同人誌などコストを抑えて印刷したい方は安価な粉末トナーのレーザープリンターのフォトブックがおすすめです。