フォトブック表紙デザインのポイント
フォトブックは、表紙デザインを選択できる商品を選んだ方が、自分でデザインする手間が省けるので便利です。しかし、デザインサンプルがたくさんあっても、自分の気に入る作品があるとは限りません。
本当に納得できるフォトブックを制作したいなら、面倒でも表紙を自分でデザインできるものを選んだ方がよいでしょう。そういうときの表紙デザインのポイントを説明します。
目次
無難に美しいレイアウト
フォトブックの表紙の文字は、一般に
- タイトル
- サブタイトル
- ボリュームナンバー
くらいのものです。
したがって、文字レイアウトをするのは簡単なのですが、問題は表紙写真との関係です。市販の写真集の場合は、文字を写真の上にレイアウトしていないものが多いです。写真が大切な作品であり、それを見せるための冊子だからです。
写真の中に文字を挿入すると、写真の絵柄によっては文字がたいへん読みづらくなります。

長方形の写真枠を表紙中央にレイアウトするともっとも安定したデザインとなり、しかも文字レイアウトがしやすくなります。
そのために、編集が自由にできるフォトブックを選びましょう。
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写真上に文字を乗せたいとき
写真1点を表紙全面にレイアウトしたいときは、写真背景の明度差・色差のない広めの空間にタイトルを入れるのが良いです。
広告写真や雑誌のカバー写真では、通常、まず文字を含めた表紙全体のカバーデザインを確定してから、それに合わせた写真を撮影します。
カバーデザインを決めずに撮影してもちょうどいい写真が偶然とれていればいいのですが、確実に納得のいく表紙を作りたいときは、まず表紙のサムネールやラフデザインを描いて構図と文字位置を確定し、それに合わせた写真を撮影しましょう。
あらかじめ文字レイアウトの位置を考えて撮影することをおすすめします。
テンプレートや素材を使った表紙デザイン
以下はcanva の無料デザインテンプレートを使って横長ワイドタイプの表紙をデザインしました。
canvaのフォトブックのテンプレートを使っています。(→詳しくはこちら)中央に丸いスペースを設けていて、タイトルが目立ち表紙らしいデザインですね。3枚写真を配置できます。配置する写真はメリハリをつけて、手のアップ・顔のアップ・全身などと変化があるとおしゃれに決まりますね。
お誕生日のフォトブックをイメージしたデザイン。表紙にもぴったりです。
ポラロイド風の素材が使えるテンプレートもあります。
canvaのテンプレートを使えば、簡単におしゃれなフォトブックの表紙が作れます。
フォトブックの背表紙と背文字
「背表紙」とは?
背表紙というのは、本来、上製本の表紙で背の部分のことを指し、表と裏の表紙とは別に短冊形の厚紙が芯材として入っています。一般書籍では背表紙全体が曲面になった「丸背」と平らな「角背」がありますが、フォトブックでは「角背」しかないようです。フォトブックでは並製本(ソフトカバー)でも背文字を印刷できる背幅がある場合は背表紙と呼んでいます。
背文字は和文・縦組みが基本です。英語などの欧文の背文字は読みやすい横組みが一般的で、背幅の狭い一般書籍やフォトブックでは90度回転させた表示になります。
背文字を印刷するときは背景デザインに注意
写真表紙でカバー写真が背表紙にまでかかっている場合、普通のスミ文字(ブラックの文字)では読みにくくなることがありますから要注意です。そういう場合は、白抜き文字や色文字にします。幅広の白縁を付けた文字にすることも多いようですが、装丁デザインの基本としてタイトルまわりがすっきりしないのは感心できません。
それを回避するもっともノーマルな方法は、カバー写真(表紙の写真)を背表紙にまでレイアウトしないことです。
背文字を印刷するときは十分な背幅が必要
上製本のフォトブックであれば、読みやすい大きさの背文字を印刷できるだけの背幅があります。しかし、並製本のソフトカバーで背幅が数ミリしかないような薄いフォトブックでは、背文字を入れるべきではありません。
フォトブック業者の中でも製本会社としての伝統をもつフォトレボや装丁にもこだわるマイブック、フォトバックなどは丁寧な製本です。
わずか3~4ミリほどしかない薄いフォトブックで背文字が1ミリでもセンターを外していれば、その印刷位置のズレは一目瞭然です。(一般に並製本・無線綴じの安価なフォトブックでは、製本作業における1~2ミリ程度の位置ズレは誤差の範囲内です。)
また、その薄さでは文字サイズも小さくなり、タイトルとして入れる意味がありません。同じ製本タイプの一般的なパンフレットでは、背文字を入れないことがむしろ当たり前です。
フォトブックの裏表紙とカバーデザイン
表紙の正しい呼び方
出版・印刷・製本の業界では、いわゆる裏表紙のことを表4と呼びます。表4と連続する表側の表紙を表1、その裏面が表2、表4の裏面が表3です。ページ番号(P1など)と同様に記号で表示するときは、英語で表紙を意味する単語「cover」のイニシャルに番号を振って、C1、C2、C3、C4 と書きます。
一般に表紙と呼ばれているのは表1(C1)と表4(C4)のことで、そのデザインのことをカバーデザインと呼びます。
裏表紙デザインの基本的な考え方
一般の書籍・雑誌では、表紙のどちらの面が表1なのかひと目で分かるようにデザインします。
そのため、タイトルを存在感のある文字組みで表1の目立つ場所に配置することはカバーデザインの基本中の基本であり、フォトブックでも同様です。
どちらが表表紙なのか分かりやすいよう、裏表紙は控えめな写真をレイアウトするのがおすすめです。